新しい在留資格「介護」について(平成29年9月1日施行)

 新しい在留資格「介護」は、平成28年11月18日、第192回臨時国会において改正入管法が成立し、同29年9月1日から施行されます(法2条の2、法別表第1の2)。
 なお、在留資格「介護」の在留資格認定証明書交付申請の受理は、既に平成29年6月1日から開始しています(附則4条)。

1.在留資格「介護」を規定した趣旨について
 従来、法は在留資格に「介護」を規定せず、我が国における外国人介護士の労働については外国人技能実習制度の下、経済連携協定(EPA)に基づきインドネシア、フィリピン、ベトナムからの志望者に限定していました(EPA、法2条の2、法別表第1の2等)。
 しかし、我が国は、高齢化が進む中、介護士が不足するとともに質の高い介護ニーズが増大しました。又、政府は日本再興戦略において海外の優れた人材や技術を日本に呼び込み、雇用やイノベーションの創出、日本国内の徹底したグローバル化を進めるべく政府目標を決定しました(平成25年6月14日閣議決定)。
 そこで、法は、外国人介護士の受入れを促進すべく、在留資格「介護」を規定しました(法2条の2、法別表第1の2)。
 なお、在留期間は、5年、3年、1年又は3月となります(施行規則3条、法別表第2)

2.国家資格「介護福祉士」の取得について
 法は、在留資格「介護」について、本邦の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動とし(法別表第1の2)、外国人が在留資格「介護」の活動を行う場合、国家資格「介護福祉士」の資格取得が条件となります。国家資格「介護福祉士」は、社会福祉士及び介護福祉士法に規定されています(39条等)。同法は、社会福祉士及び介護福祉士の資格を定めて、その業務の適正を図り、もつて社会福祉の増進に寄与することを目的とし(1条)、介護福祉士試験に合格した者は、介護福祉士となる資格を有します(39条4号)。
 しかし、経過措置として平成29年度から33年度までの間、福祉系専門学校等の卒業生は国家試験受験の有無に関わらず、卒業後5年間は介護福祉士の資格を有し(附則6条の2)、その後、国家試験に合格するか、介護業務に5年間従事するかのいずれかの条件を満たすことにより、引き続き、介護福祉士となる資格を有します(附則6条の3)。本規定の趣旨は、介護福祉士の有資格者を試験合格者に限定した場合、介護現場における人材不足が懸念され、介護の人材確保を図る観点から要件を緩和しました。
 よって、外国人が福祉系の専門学校等を卒業し、「介護福祉士」の国家試験に不合格となった場合でも、経過措置として「介護福祉士」の資格を有することになります(附則6条の2等)。

3.在留資格「医療」との相違点
 法は、在留資格「医療」について、医師、歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動と規定します(法2条の2、法別表第1の2)。
 その他法律上資格とは、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士をいいます(法7条1項2号の基準省令)。上記14職種は、我が国の医療関係の国家資格として、有資格者の独占業務となり、無資格者がその業務を行ったときは罰則の適用があります(医師法17条等)。一方、介護福祉士は、有資格者の独占業務ではなく、名称独占の資格に留まり(介護福祉士法39条等)、無資格者であっても介護福祉士の業務を行うことができます。
 又、上記14職種は、主に医療法に規定する病院又は診療所において医療に係る業務に従事します(医療法1条の5)。一方、介護福祉士は、主に介護保険法に規定する介護老人保健施設において業務に従事します(介護保険法86条等)。
 よって、介護福祉士は、在留資格「医療」に該当しません。