仙台市における外国人創業活動促進事業(スタートアップビザ)の開始

仙台市は、平成29年4月10日、外国人創業活動促進事業いわゆる「スタートアップビザ」の創業活動確認申請の受理を開始しました。当初、福岡市が国内初として、当該事業を行い、外国人投資の受け入れに成功しましたが、仙台市も当該事業に参加することになりました。

1.福岡市が成功した理由
 思うに、福岡市が外国人創業活動促進事業で成功したのは、①福岡空港は約20都市からの直行便が就航し、②中国をはじめとするアジア諸国に近いためアジア諸国からの申請が多く、③当該事業の他、賃料の補助があったことと解します。

2.外国人創業活動促進事業の趣旨
 政府は、日本再興戦略において海外の優れた人材や技術を日本に呼び込み、雇用やイノベーションの創出、日本国内の徹底したグローバル化を進めるべく政府目標を決定しました(平成25年6月14日閣議決定)。
 しかし、外国人は、東京都に積極的な投資を行いますが、地方に投資をすることはありませんでした。又、地方の活性化にはインバウンド関連や外国人や外国企業の投資が必要となります。
 そこで、政府は、特区法を改正し新規の外国人投資を促進して地方創生を図るべく、一定の地方自治体の外国人創業活動促進事業の下、在留資格「経営・管理」の規模的要件を緩和しました(特区法16条の5、同法施行令18条1項ハ)。

3.在留資格「経営・管理」の規模的要件の緩和
 法は、在留資格「経営・管理」における規模的要件について、①2人以上の本邦に居住する者で常勤の職員が従事して営まれる規模のものである旨規定します(法第7条第1項第2号の基準を定める省令第1号ロ)。又、②500万円以上の投資が行われている規模の事業の場合には、常勤の職員を2人以上雇用していなくても差し支えないと規定します(入国在留審査要領第12編「経営・管理」)。
 しかし、要件①を立証する資料として、外国人が使用者として労働基準監督署と公共職業安定所において労働保険の届出等を行った後(労働保険の保険料の徴収等に関する法律4条の2)、常勤職員の雇用保険被保険者証写し、雇用契約書、住民票、履歴書等を地方入国管理局に提出します。要件②を立証する資料として、法人登記をした場合、資本金500万円以上である法人登記事項証明書、資本形成過程の説明書等を提出します。両要件は、我が国において新規に投資を行う外国人にとって、確実に我が国での事業を行うことが保証されていない段階での事務的、経済的負担が大きく、新規投資を躊躇させる要因になっていました。
 そこで、外国人創業活動促進事業における在留資格「経営・管理」の規模的要件について、上記規模に準ずるものであって、見込まれる程度と緩和されました(特区法施行令18条1項ハ)。

4.創業活動確認申請
 外国人が規模的要件の緩和の適用を受ける場合、仙台市から「創業活動確認証明書」を交付してもらう必要があります。同証明書の交付申請は、創業活動確認申請書、創業活動確認計画書、創業活動の工程表、履歴書、上陸後6月の住居を明らかにする書類、パスポート写し、通帳写し等を仙台市経済局地域産業支援課企業支援係(仙台市青葉区国分町3-6-1仙台パークビル9階)に提出します。同市は、当該申請を受理した後、外国人の創業活動が同市における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図る上で適切なものであること(特区法施行令18条1項イ)及び当該創業活動に係る事業の計画が適正かつ確実なものであることを審査します(同項ロ)。当該申請の対象事業は、①知識創造型産業。②健康・医療・福祉関連産業。③環境・エネルギー関連産業。④物流関連業。⑤貿易関連業に限定されています(同法2条1項)。

5.在留資格認定証明書交付申請
 法は、法務大臣は本邦に上陸しようとする外国人から、国家戦略特別区域において在留資格「経営・管理」(創業活動を含むものに限る。)を行うものとして、入管法7条の2において規定する在留資格認定証明書交付申請があった場合には、在留資格認定証明書を交付することができる旨規定します(特区法16条の5第1項)。

6.入国後の実地調査
 外国人創業活動促進事業における在留資格「経営・管理」の在留期間は6月となります(特区法施行令18条1項二)。仙台市は、在留期間6月内に、外国人の創業活動の進捗状況の確認を3回行います。

7.在留期間更新許可申請
 外国人創業活動促進事業における在留資格「経営・管理」の在留期間は6月となります(特区法施行令18条1項二)。当該事業の対象となった外国人は、在留期間が満了するまでに、規模的要件その他要件をすべて満たした資料を添付し、在留期間更新許可申請をします(入管法21条)。

8.結語
 在留資格「経営・管理」の在留資格認定証明書は、原則として規模的要件その他要件を満たさなければ交付されません(入管法7条の2)。
 しかし、規模的要件を満たさない外国人であっても、特区法の外国人創業活動促進事業の適用を受けた者であれば、特例として同証明書が交付されます(特区法16条の5第1項、同法施行令18条1項ハ)。
 よって、当初から規模的要件を満たす外国人は、事務的負担が増加する当該事業の適用を受けることなく、従来の在留資格認定証明書交付申請を行います(入管法7条の2)。