ハーグ条約適用 初の外国への返還命令

国際離婚などにより国境を越えて連れ去られた子供の取り扱いを定めたハーグ条約に基づき、スリランカに住む父親が、一時帰国した4歳の子供を連れ戻すことを拒んだ母親に返還を求めた審判で、大阪家裁(大島真一裁判長)は19日、スリランカに返還するよう命じる決定を出しました。
日本が今年4月にハーグ条約に正式加盟後、外国への返還命令の決定は初めてとなります。
本件は、父母は子供と共に、父親の事業のため2013年2月にスリランカに渡航。14年6月に一時帰国し、同年8月にスリランカに戻る予定でしたが、7月に母親が子供を戻す意思がないと伝え、父親が代理人を通じてハーグ条約の適用による返還を求めた審判を請求しました。本決定は、子供がスリランカで通学し、9月以降も通学予定だったことなどから、子供の居住地をスリランカと認定しました。一方、母親側が主張した「常居所地国に子を返還することによって、子の心身に害悪を及ぼすことその他子を耐え難い状況に置くこととなる重大な危険があること。 」(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第28条1項4号)などについては認めませんでした。なお、外務省の中央当局を通じて、ハーグ条約事件の当事者から弁護士の紹介の申込みがあったときに限り、日本弁護士連合会ではハーグ条約に対応できる弁護士を紹介しています。