労災の賠償訴訟における算定基準の統一(最高裁)

過労による精神障害が原因で死亡したとして労災認定された男性の両親が会社に求めた損害賠償について、両親に支給された遺族補償年金を賠償額そのものと遅延損害金のどちらから差し引くかが争われた訴訟で、最高裁第1小法廷は15日、審理を大法廷に回付しました。賠償額を差し引く争点に関しては、二つの訴訟の小法廷判決で異なる判断が出ており、大法廷が統一判断を示す可能性が出てきました。結論次第で支払われる額が変わるため、労災をめぐる訴訟に影響が出てきます。大法廷に回付されたのは、IT関連会社「フォーカスシステムズ」(東京)のシステムエンジニアだった男性=当時(25)=の両親が原告の訴訟。一、二審は同社の責任を認め賠償を命じましたが、賠償額を差し引く点については判断が分かれました。第2小法廷は2004年、遺族年金について、債務を弁済する際に債務額に足りない場合は元本よりも利息に充当しなければならないと定めた民法に照らし、まずは遅延損害金の支払いに充当されるべきだと判断しています。一方、第1小法廷は10年、障害年金などは、事故がなければ得られた賃金といった特定の損害を補うために支給されるものだと指摘。賠償額そのものと相殺されるべきだと結論付けています。