外国人の会社設立及び投資経営の在留資格認定証明書交付申請

 従来、外国人が日本で会社設立し、投資経営の在留資格認定証明書の交付を受ける場合には、短期滞在にて来日し、市区町村役場から旧外国人登録証明書の交付を受けた後、法務局で会社設立登記し、地方入国管理局に投資経営の在留資格認定証明書交付申請していました。

 しかし、法改正(2012年7月9日)により、外国人登録法は廃止となり、新たな在留管理制度が誕生しました。その結果、短期滞在にて来日した外国人には「在留カード」が発行されず、市区町村役場にて印鑑登録できなくなりました。市区町村役場での印鑑登録証明書及び地方入国管理局で「在留カード」が発行されないと、次の問題が生じます。
まず、会社設立は、定款に発起人が市区町村役場での印鑑登録した印鑑(実印)を押印する必要があります(会社法26条、公証人法28条2項)。ただし、海外の公証人(Notary)の「サイン証明」があれば、発起人のサインによって証明できます。次に、発起人は出資の払い込みを証する書面(銀行通帳写し等)を準備します(商業登記法47条2項5号)。この出資の払い込みは、銀行法2条1項に規定する銀行、又は信託業法2条2項に規定する信託会社が対象となります(会社法34条2項)。すなわち、内閣総理大臣の免許を受けた本邦に本店又は支店のある銀行等が対象となります。上述法改正により、銀行口座を開設するには、銀行が「在留カード」に基づき本人確認するのが義務となりました(犯罪による収益の移転防止に関する法律4条)。その結果、短期滞在にて来日した外国人は「在留カード」を有しないため、新規に銀行口座を開設できず、単独での発起設立は不可能となりました。そのため、日本で会社設立する外国人は、第三者(友人・従業員)の協力を得て、発起人及び代表取締役を第三者に委任しなければならない問題が生じていました。かかる手続は、実体が伴わないことは勿論、発起人が第三者の銀行口座を利用し、間接的に出資を払い込む不適切な手続となり、商号、会社等に係る信用の維持を図り、かつ、取引の安全と円滑に資することを目的とする商業登記法の法目的(1条)に反していました。

 そこで、政府は、かかる問題を解決するため、新たな法整備の導入を検討しています。新たな法整備の導入時期は、早ければ年内には実施されると思われますので、時間的な余裕があれば不適切な手続は避け、新しい法整備の導入後に会社設立されることをお勧め致します。