タイ人労働者の受入れ 入管での事前相談開始

 日本政府が発表した日系企業で働くタイ人従業員の臨時受け入れ措置は、きょう4日から特別査証(ビザ)に対する事前相談の受け付けを開始する。発給対象は洪水被害で工場が操業停止となった日系企業で働くタイ人。日本では、タイと同様の業務を担うことが条件となる。

法務省によると、各地の入国管理局(入管)を通じて事前相談を受け付け、企業側にビザ申請に必要な書類などを記載した「案内書」を交付する。案内書の交付後、在タイ日本国大使館など在外公館でビザを申請。ビザ取得後に、入国予定日や到着予定空港、便名などを入管に連絡するという手順を踏む。

事前相談は、ビザ発給の絶対条件ではないが、円滑な手続きを図るために法務省側では推奨している。事前相談に必要な書類は、◇相談申込票◇来日希望者一覧◇受け入れ要件に適合していることの説明書◇在タイ日系企業と親会社などとの資本関係が分かる資料◇在タイ日系企業の在籍出向辞令の写し◇労働条件を明示した親会社などの作成した日本での就労に関する雇用契約書の写し、または労働条件を明示した書面——など。

臨時措置となる特別ビザの在留期間は6カ月間で、在留資格認定証明書を申請しなくても上陸特別許可を受けて入国が可能となる。発給条件には、受け入れ企業が確実な帰国担保措置を取ることや、労働者受け入れに伴い日本側の従業員を1年以内に解雇しないことなどが盛り込まれている。配偶者などの家族帯同は認めていない。

経済産業省の事前説明によると、パスポート保有者であれば手続き開始からビザ取得までにかかる時間は1~2週間程度とみられる。

日本入国後は、ほかの外国人在住者と同様に滞在期間が90日を超える場合には、市区町村の役場で外国人登録する必要がある。同ビザから、目的の異なるほかの在留資格への変更はできない。

事前相談を受け付ける入管窓口は、◇札幌入国管理局審査部門◇仙台入国管理局審査部門◇東京入国管理局就労審査部門◇名古屋入国管理局就労審査部門◇大阪入国管理局就労・永住審査部門◇広島入国管理局入国・在留審査部門◇高松入国管理局審査部門◇福岡入国管理局入国・在留審査部門——。

■タイ側での準備

同措置の手続きは日本の親会社から入管を窓口として進めるが、盤谷日本人商工会議所(JCC)と日本貿易振興機構(ジェトロ)は、経産省への説明やタイ側での準備も並行して進めるよう推奨している。

受け入れ要件の一つに「受け入れ企業が日本国内で同様の業務に従事する者を過去3年以内に大量(1カ月以内の期間に30人以上)に非自発的離職をさせていないこと」が含まれており、経産省が適合性を調査する。このため、事前に経産省所管課へ説明をしておくと、手続きが円滑に進むと期待される。

また、労働者の出国にはタイ労働省の許可証が必要。手続きに必要な住民票のコピー、会社と労働者の雇用契約書などを事前に準備しておくよう呼び掛けている。