国際離婚 アメリカ国籍の元夫が日本航空を提訴(ハーグ条約)

 

カリフォルニア州から出ることを禁じられた子どもと日本国籍の元妻が日本に行く際に不法に協力したとして、米国籍の元夫が、日本航空と米国の旅行代理店を相手取って裁判を起こした。

 訴えを起こしたのは米国籍のスコット・ソーヤーさん。日本航空と米旅行会社は、離婚した親による子どもの連れ去りが頻発していることを知りながら、2008年12月に元妻が当時2歳だった息子を日本に連れ帰った際に協力したと主張している。

 1980年のハーグ条約は、国際結婚で生まれた子どもが通常居住する国から不法に連れ去られた場合、元の居住国へ速やかに戻す措置を締約国に義務付けているが、主要先進国の中で日本は唯一、この条約に加入していない。日本の判例では離婚した外国人、特に外国人の父親に、親権を認めたことがほとんどない。

 活動家たちは、数千人規模の外国人親、特に父親が、日本に連れ去られた子どもへの面会を制限されていると批判している。子供は現在4歳だが、スコットさんは、2年前に元妻が子どもを連れ去って以降、一度も子どもに会えてないという。

■「法的義務なくとも責任ある」と弁護士

 ロサンゼルス郡上級裁判所は2008年、ソーヤーさん夫婦の離婚を認め、2人に子供の共同親権を認めていた。スコットさん側のマーク・マイザー弁護士によると、裁判所は元妻にパスポートの提出を命じ、子供とロサンゼルス近辺の5つの郡の外に旅行してはならないと命じていた。

 しかし元妻は息子の日本のパスポートを取得すると、その数日後にサンフランシスコから日本行きの便に乗ったという。

 マイザー氏は、航空会社や旅行代理店には、米国から日本への渡航者の親権を確認する法的な義務はないものの、両社には責任があると主張する。「息子は赤髪で、ハーフであることは明らか。しかも離婚した親による連れ去りの問題を抱えている国に行こうとしている。注意しなければならないというサインは全部そろっていた」

 マイザー氏は、航空会社や旅行代理店は、未成年の子どもを連れて単独で日本へ向かう親については、法的な承認を受けていることを証明するよう求めるべきだと主張する。

 マイザー氏が示した米国務省の統計によると、1994年以降、親による子どもの連れ去り事例が230例発生しており、連れ去られた子どもは321人に上る。日本政府は前年9月、子どもの連れ去りを防止するための国際条約の署名に前向きな姿勢を示したが、国内法の整備が必要なことから時間がかかると述べている。