震災による労災請求・遺族年金(社会保険労務士)

 (労災認定)

 東日本大震災をうけて厚生労働省が労災認定する方針を決めたことが31日分かった。阪神大震災の時も同様の措置を取った。
本来、業務上の災害ではないため、労災認定の対象とならないが、三陸地方は明治三陸地震(1896年)など、何度も津波被害を受けているため、津波による被害を「危険な環境下で仕事をしていた結果」として、災害と業務の因果関係を認めた。大地震の発生が午後2時46分ごろと平日の昼間で勤務中の人が多かったため、対象者はかなりの数に上るとみられる。厚労省によると、30日までに2件の労災申請があった。

(死亡推定期間の短縮)

東日本大震災で行方不明になった人について、厚生労働省が、死亡したと推定するまでの期間を現行の災害から1年間から3ヶ月間に短縮する方向で検討を始めました。行方不明者の残された家族が、遺族年金や労災保険を受け取るためには、行方不明者が死亡したと推定して、死亡認定されなければなりません。現行でも飛行機事故や、海難事故の場合、3か月後に死亡したと推定する規定もありますが、その他の事故の場合、1年後が原則。ただ震災で早急に生活再建のための資金が必要な被災者が多いとみられるため法改正で今回の震災への適用を目指す。政府が今国会に提出する復興関連法案に盛り込む方針という。

この法案が成立すれば、以下のようになります。

・家族が申請すれば、労災保険などは震災発生後の3か月後の6月から受け取れるようになる

・遺族年金などは災害が起きた月までさかのぼって受け取れる。

岩手、宮城、福島の各労働局は避難所などで労災に関する出張相談をする予定。厚労省は「事業主や医療機関の証明書がなくても受理する」としている。手続きに不慣れな方は、労災・年金請求のエキスパートであるお近くの社会保険労務士に相談してください。   

(労働者災害補償保険法)                                                                     第10条  船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその船舶に乗つていた労働者若しくは船舶に乗つていてその船舶の航行中に行方不明となつた労働者の生死が三箇月間わからない場合又はこれらの労働者の死亡が三箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合には、遺族補償給付、葬祭料、遺族給付及び葬祭給付の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた日又は労働者が行方不明となつた日に、当該労働者は、死亡したものと推定する。航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその航空機に乗つていた労働者若しくは航空機に乗つていてその航空機の航行中行方不明となつた労働者の生死が三箇月間わからない場合又はこれらの労働者の死亡が三箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合にも、同様とする。

※国民年金法第18条の2 厚生年金保険法第59条の2にも同様規定あり。

(民法条文)
第30条  不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。
 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。
第31条  前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。