中国人実習生 過労死で提訴

外国人実習生として全国初の労災認定を受けた中国人技能実習生、蒋暁東さん(当時31歳)の妻・馮珠さん(34)は4日、蒋さんの受け入れ企業と合わせ、管理団体(第1次受け入れ機関)にも損害賠償を訴えた。低賃金の長時間労働を黙認する外国人技能実習制度の管理団体の法的責任を浮き彫りにし、制度の抜本的改革を促す狙いからだ。馮さんは厚生労働省で開いた会見で「私のように悲しむ人が二度と出ないようにしないといけない」と涙ながらに話した。
 馮さんら遺族4人が提訴したのは、蒋さんが実習していた金属加工会社「フジ電化工業」(潮来市)と、第1次受け入れ機関で同社に蒋さんを配属させた「白帆協同組合」(行方市)。同工業は「訴状がないのでコメントできない」、同組合は「残業時間についての問題点を研修生に聞いており、組合としてできる限りのことをやった」と話している。
 会見で弁護団は第1次受け入れ機関の責任を強調。原告代理人の指宿昭一弁護士は「管理団体には重い責任がある。法的責任を明らかにすることで、制度内に過労死を生み出した原因があることを社会的に問い、制度の廃止に結びつけたい」と話した。
 入国管理局によると、09年に全国の技能実習で444件の「不正行為」があり、そのうち99%が第1次受け入れ機関を通じて行われた研修だった。弁護団によると、今回の労災事件でも同組合が2年目以降の残業代を1時間400円と指示。弁護団は「第1次受け入れ機関が主導して、長時間労働をしなければ稼ぐことができない状況を作り出している」と指摘している。
 外国人研修制度は81年に創設。最長3年の滞在期間中、1年目の「研修期間」は労働基準法など労働関係法令の適用外だったため、低賃金の長時間労働が問題化。昨年7月の改正入管法施行で、講習期間後の労働関係法令適用や、第1次受け入れ機関の監督責任が強化された。